そもそも「みりん」って何なのでしょう。江戸時代には甘い高級なお酒として飲まれていたようです。このみりんを魚の煮物に使うと煮崩れしづらく、魚の臭みが取れ、味がまろやかになって仕上がりに照りが出る、ということで和食には多用されるようになったらしいけど、要するにもち米から作られる甘いお酒。だからかつて日本では酒屋さんとかお酒を売って良いお店でしか買えない時期があって不便でした。イギリスでもみりんは手に入るけどちょっとお高い。そんじゃってんで「ミリン風味」の調味料を買ったりしていますが、それってみりんじゃない。海外在住の日本人はみりんが手に入らない時に何を代用としているのか調べてみたら「お酒+砂糖」と回答している人が多い。でもちょっと待てよ。例えば照り焼きの場合「しょう油、日本酒、みりん」が基本調味料な訳ですが、それだと「しょう油、日本酒、日本酒+砂糖」になっちゃって日本酒がダブっちゃう。どうせ日本酒もみりんもアルコールは飛ばす訳で、であればあとは甘くなってとろみがついて照りが出て、それでいて食材の味を脇役に追いやらないものを代用すればいいんじゃないの?ということからイギリスでそれに該当するものを探して辿り着いたのがこのゴールデンシロップ。ハチミツもOKね。ゴールデンシロップとはイギリスのシュガーシロップのこと。砂糖の原材料であるサトウキビやテンサイを搾って釜茹でし、砂糖が結晶となる前の蜜をろ過したもの。かなり甘いのでイギリスではお菓子を焼いたりする時に使われます。ほんのりバターの香りがする程度なので出しゃばって食材の邪魔をすることもなし。黄金色で食欲そそるし何より仕上がりにとろみがついて照りも出るの。今イギリスではミツバチが不足していてハチミツが高騰中。そんな中、値段もリーズナブルで安定しているこのゴールデンシロップをみりんの代役として使うのは「あり」だと思います。味見して甘味が足りなければシロップを足せばいいだけ。アルコールは入っていないので飛ばす必要もなし。おぬし、使えるな! よろしかったらぜひ一度お試しください。
みりんも酒もいらないチキン照り焼き
cookbuzz編集部